2025年の大阪万博開催への諸問題が色々と取りざたされている。1970年に開催されたEXPO‘70と比べる報道も多い。
無事開催されるのかと危惧する声もあるが、日本人は納期や約束を守る国民性なので何とかなると思っている。
さて、前回のEXPO'70でまず思い浮かぶのは「太陽の塔」。作者は岡本太郎。
この塔のデザインを初めて目にした開催主催者側、政府の官僚はまさに「何だこれ?」状態。
きっと万博のテーマ「人類の進歩と調和」に沿った近未来的な姿を想像していたのだろう。
古代人が土を素手でこねて作ったような独特のフォルムと数種の顔。感想の言葉さえ出なかったそうだ。
当時の国民の反応も賛否両論。子供が泣いて怖がるとか色々あったらしい(笑)
実はこの塔は万博のシンボルタワーでは無くテーマ館(パビリオンの1つ)。ちなみにシンボルタワーはエキスポタワー。
シンボルタワー以外のパビリオンは閉会後半年で撤去する予定だった。しかし徐々にこの塔に愛着を持つようになった世論の声が高まり補修をしながら維持していくことになった。。
あれから50余年、会場跡にはパビリオン類は全て無くなり、結局エキスポタワーもエキスポランドと共に解体、撤去されている。
公園の緑に囲まれたこの塔だけが残った。今では毎朝太陽の塔に手を合わせる近隣住民も結構いるらしい。
太郎がこの塔に込めた言葉を超えた思い、願い、情熱が祈りや畏怖の感情を見る者に感じさせるのかもしれない。
数年前から塔の内部(生命の樹)が見学可能になっているので、この機会にこの岡本太郎の恵みに触れてみてはいかがだろうか。